会津八一 寒燈集以後・盆梅(五首)
                               昭和二十一年十二月
寒燈集以後


盆     梅
「寒燈集に入れなかったもの、及び以後に詠まれた幽暗〜鐘銘、計57首を解説する。歌は會津八一全集巻四より選んだ。鐘銘は八一の最後の歌である」
「丹呉家から新潟市内の南浜通に移った八一は朝市で買った盆梅を題に5首詠む。新しい生活が始まったが、この盆栽に己の姿を重ねている」 
                                        会津八一の歌 索引
1 歳暮新潟の朝市に鉢植の梅をもとめて(第1首)
    とし ゆく と ののしる いち の はて にして 
                 うめ うる をぢ が しろき あごひげ
歌の解説
2 歳暮新潟の朝市に鉢植の梅をもとめて(第2首)
    もとめ こし ひとき の うめ に ひともせば 
                 かげ さやか なる やど の しろかべ
歌の解説
3 歳暮新潟の朝市に鉢植の梅をもとめて(第3首)
    しろかべ に かげ せぐくまる ひとはち の 
                 うめ の おいき に とし ゆかむ と す
歌の解説
4 歳暮新潟の朝市に鉢植の梅をもとめて(第4首)
    おい はてて えだ なき うめ の ふたつ みつ 
                  つぼみて はる を またず しも あらず
歌の解説
5 歳暮新潟の朝市に鉢植の梅をもとめて(第5首)
    いくとせ を こころ の ままに ゆがみ きて 
                  はち に おい けむ あはれ この うめ   
歌の解説
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