身体の話(1~20)
  2017・8・18~2018・6・10  

身体の話いろいろ1・竜骨(りゅうこつ) 2017・8・18(金)
 竜骨とは中国大陸で採れる大型哺乳動物の骨の化石の事。これを使った漢方薬には鎮静、収れん作用があると言う。成分は、炭酸カルシウム(50~80%)、リン酸カルシウムなどである。竜骨は、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)などの漢方薬に配合される。
 柴胡加竜骨牡蛎湯は、体にこもった熱を冷ますとともに、心を落ち着かせる処方で、脳の興奮からくる不眠を改善する。また、ストレスをとり除き、自律神経を安定させる。
 桂枝加竜骨牡蛎湯は、一般的に「神経質」といわれる状態を、体のバランスを整える「桂枝湯」をベースに、興奮を抑え心を落ち着かせる。

 そう解説されているが、竜骨にも漢方薬にもお目にかかったことはない。



身体の話いろいろ2・関節液 2017・8・30(水)
 関節液は関節を包む関節包(かんせつほう)の内部にある淡黄色透明で粘り気のある液体。関節がスムーズに動くよう、潤滑液の働きをする。ヒアルロン酸やたんぱく質等を含んでいて、関節軟膏の栄養分になる。
 今悩んでいる「テニス肘」の痛みに関係するかと思ったけど、それは関係なく、よく”膝に水が貯まる”という言葉に関係する。様々な病気が原因で膝の関節内に液が溜まった状態を表現したもので、これを関節水(血)症と呼び、定期的に液を抜いたりする。


身体の話いろいろ3・脊髄(せきずい) 
            2017・9・26(火)
 脊髄は背骨の中にある神経の束で、上部は脳につながっている。脊髄は、身体の各部位からの情報を脳へ伝えたり、脳からの指令を身体に伝えたりする。また、脳に情報を伝えなくても熱いものに触ったときにすぐ手を引っ込めるといった「反射」にも関係する。
 脊髄に障害が起こると、障害部位に応じた特有の症状(脱力や麻痺、感覚障害、排尿排便障害など)が出現するという。


身体の話いろいろ4・変形性関節症 2017・10・9(月)
 骨と骨の間にあるクッションの役割を果たす軟骨がすり減り、骨同士がぶつかって変形して起こる病気。腫れや痛みを伴う。膝や股関節など体重のかかる関節に多く起こる。
 原因は加齢や肥満で起こる場合と関節リウマチや外傷などの場合がある。
 なかなかなかなか治らないテニス肘、医者は「早くは治らないですよ。年を考えて下さい」と言う。年を取るといろいろの病気と隣り合わせのいるような気がする。



身体の話いろいろ5・骨盤 2017・10・19(木)
 
骨盤(こつばん)は、大腿骨と脊柱の間で体を支える強固な骨で左右1対の寛骨、仙骨、尾骨で構成される。
 脊柱を支え、腸や膀胱、子宮などの臓器を守る役割がある。最も男女差のある骨で、骨盤が残っていれば性別の鑑定が出来る。骨盤の中央の孔は男性では三角形に近く、女性では丸く男性より幅広い。出産の際に胎児が通るためだ。
 身体を中心で支えていると言ってよく、とても大切な骨で損傷すると身体に大きなダメージを与える。


身体の話いろいろ6・骨伝導 2017・10・30(月)
 骨伝導は、空気を伝って鼓膜(中耳)を振動させ聴覚神経(内耳)に伝わる気導音に対して、声帯などの振動が頭蓋骨を伝わり直接聴覚神経に伝わる骨導音のこと。自分が聞く自分の声は気導音と骨導音が合わさったものだ。
 ベートーヴェンは20代後半に難聴を患い、ほとんど何も聞こえないほどの状態になったが、この時彼は指揮棒を歯で噛みピアノに押し付けて骨伝導で音を聞いていたという。
 また一部の生物は耳殻を持たず、骨伝導で外部の音を検知している。例えばクジラは、下顎の骨で水の震動をとらえて耳骨に伝えることで音を感じ取っているという。



身体の話いろいろ7・泉門(せんもん) 2017・12・5(火)
 泉門は新生児の頭蓋骨(とうがいこつ)で骨化がまだ進んでいない結合組織膜の部分(すき間)のこと。左右の前頭骨と左右の頭頂骨とに挟まれた菱形のものを大泉門、左右の頭頂骨と後頭骨との間の三角形のものを小泉門という。成長(1年半から2年)とともに閉じる。
 犬にもあるという。
犬の頭蓋骨の前頭骨と頭頂骨の間の凹んでいる、もしくは柔らかい部分を泉門(モレラ)という。小型犬に多く、チワワなど、頭部が横に張った小型犬種の子犬に多くみられる。水頭症や低血糖症になり易く、ストレスにも弱く虚弱。
 成長と共に骨化が進み閉じるのが通常だが、中にはそれが未完全で開いたままのケースがあり、これを泉門開存(頭蓋骨の癒合不全)といい、チワワのほとんどが泉門開存である。トイプードルの場合、ティーカップサイズなどの小さな個体に発現し易いといわれてる。
 我家のくるみ(トイプードル)は大丈夫みたい。



身体の話いろいろ8・仮骨(かこつ) 2017・12・16(土)
 骨折をすると出血が起こり、骨折した部分を包み隠すように血の塊(血腫・けっしゅ)ができる。その中で血管が修復し、柔らかい状態の仮の骨(仮骨)ができる。その後、仮骨にカルシウムが沈着し、骨性仮骨(こっせいかこつ)となり、最終的な骨になる。関節部の骨折はこの工程に時間がかかる。
 最短2週間で治る骨折もあるが、身内が骨折した大腿部は最も治りにくい場所で、最短でも12週かかるという。



身体の話いろいろ9・扁平骨 2018・1・11(木)
 板状の骨を扁平骨(へんぺいこつ)といい、肩甲骨(けんこうこつ)、頭蓋骨(とうがいこつ)、肋骨(ろっこつ)、骨盤(こつばん)などがある。多くの扁平骨は、板状の骨と骨の間にサンドイッチのように骨髄(こつずい)が挟まれている。
 骨髄は海綿状の空間。ここにある一連の細胞群が分裂増殖して、血液細胞、すなわち赤血球・白血球・血小板になっていく。つまり骨髄は血液細胞の製造工場のようなところだという。
 扁平骨以外には以下のものがある。
 長骨    縦に長い骨で、上肢や下肢にみられる。
 短骨    立方体のように縦・横の区別がない形状の骨
 不規則骨 上記の形状に属さない骨で、機能に関連して不規則な
        特有の形状をもつ。
 種子骨   一般に腱の中にあり、文字通り種子のような小さな骨。
         ただし、膝蓋骨は大きいが種子骨だ。 
 含気骨   頭蓋の骨にみられ、骨質の内部に大きな空洞を持つ骨。



身体の話いろいろ10・涙骨 2018・1・24(水)
 涙骨(るいこつ)は左右の眼球が入るくぼみ部分の薄い骨で涙嚢(るいのう)が入っている。涙嚢は目から鼻へ涙を導く涙道の一部で涙がたまる袋状のもの。
 魚にもあるので、料理で出てきた目元を見ればなんとなく想像できる。ただ、魚も涙を流すのかなと思ってしまう。そんな事を想像さす涙骨と言う名は初めて知ったけどとても面白い。
  


身体の話いろいろ11・BMI 2018・2・11(日)
 肥満はBMI(Body Mass Index)という数値で判定される。
  計算方法は
   
体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}
 数値が25を超える(肥満)と、脂質異常症や糖尿病などのリスクが2倍以上になり、30を超えると積極的な減量治療が必要となる。
 痩せている素空の数値は20、だけど血糖値は高い。


身体の話いろいろ12・短骨 2018・3・2(金)
 不規則な球体や多面体をした骨を短骨という。手首にあるのを「手根骨(しゅこんこつ)、足首やかかとを構成する「足根骨(そっこんこつ)などが短骨に分類される。
 短骨は1個ではなく数個が集まり、運動は限られるが、強くかつ弾性をもつ骨格を作っている。
 理科室にある人骨の標本を見たことはたびたびあるが、短骨のところをじっくりと見たことはない。
           


身体の話いろいろ13・骨棘(こつきょく) 2018・3・15(木)
 継続的に骨に加えられた何らかの刺激に反応して骨組織が増殖し、棘状(とげじょう)になったものを骨棘という。変形性脊椎症や変形性膝関節症などの病気が原因で背骨や関節部分にできるのが一般的だが、かかとやアキレス腱の付け根にできる場合もある。
 肘の痛いのはテニス肘と思っているけど、これかもしれない。
            


身体の話いろいろ14・膝半月板(ひざはんげつばん) 
         2018・3・29(木)
 膝半月板は膝関節の大腿骨と脛骨(けいこつ)の間にあるC型をした軟骨様の板で、内側・外側にそれぞれがあり、膝にかかる身体の重さをやわらげたり、衝撃を分散したり、また膝関節を安定させたりする働きがある。
  これが損傷すると、膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりを感じたりする。スポーツ選手に半月板損傷は多いと聞いている。


身体の話いろいろ15・ヒアルロン酸 
           2018・4・21(土)
 ヒアルロン酸はコラーゲンと並んで肌に良いと宣伝されているので何となく知っていた。
 ヒアルロン酸は関節液のほか、眼球、皮膚などに含まれる物質で、多量の水と結びついてゲル状になって、関節の動きをなめらかにしたり、肌の柔軟性を保ったりするなど水分維持の働きがある。また、その粘り気で、細菌の進入を防いでいる。
 ヒアルロン酸は化粧水やサプリメントに入っている成分で、女性の美容のためのものというイメージがあったけど、結構重要な役目を果たしているのだ。美容には縁がないが、年を取って醜くなってきたので、ちょっと興味をそそられる。


身体の話いろいろ16・不動関節 2018・4・28(土)
 膝や肘のような運動を目的にした「可動関節」に対して「不動関節」は、骨と骨が連結する部分のうち動かない関節のこと。下顎骨(かがくこつ)や歯根の間の関節、頭蓋骨や恥骨の軟骨による縫合部分を言う。 
 知らないことは多いね。


身体の話いろいろ17・くるぶし(踝) 2018・5・4(金)
 足首の関節の内外両側にある突起した骨。内側は脛骨(けいこつ)の末端、外側は腓骨(ひこつ)の末端にあたる。「くろぶし」「つぶぶし」ともいう。くるぶしは足の裏に続く血管や神経を保護したり、腱(けん、筋肉を骨に結びつけている組織、すじ)の動きを補助する滑車の役割をもっている。 
 足首が痛い場合に考えられる原因や病気には、捻挫や靭帯損傷、扁平足、外反母趾、ハイアーチ、足根洞症候群、足首の腱鞘炎などがある。
 過去に捻挫などで痛めたことがあるが、年齢とともに踝を痛めると歩行に障害が出るので注意したい。


身体の話いろいろ18・骨の微細損傷 2018・5・17(木)
 骨は日常的に負担がかかるので、劣化により小さな亀裂が起きることがある。これを「微細損傷」と言うが、通常は骨代謝によって修復される。
 ただ、年齢とともに損傷部分が増えると、骨が弱くなり骨折しやすくなる。気分だけは元気でも年を取ると身体はままならないものだ。
 ずいぶん前に、自転車で転倒し肋骨を骨折したと思ったが打撲だけですんだ。友人が笑いながら「過去に沢山肋骨を骨折しているので、強くなっているから良かったんだよ」と言う。
 「
骨折すると骨折する前より骨が強くなる」とよく言うけど、それは調べると事実ではないようだ。


身体の話いろいろ19・骨隆起 2018・5・26(土)
 下あごの内側の歯に接したところが膨らんで硬いのでずっといいのかなと思っていたら、それは骨隆起(りゅうき)と言うものらしい。
 骨隆起は上あごの内側中央や下あごの内側前方にある硬いふくらみのことで、外骨症ともいわれ、遺伝やかみ合わせの悪さなどが原因だと言われている。義歯の装着に支障があるときなどは、隆起した骨を除去する手術を行う場合があると言う。
 今のところ支障はないが、遺伝かもしれないので今度兄に会ったら骨隆起が無いか聞いてみよう。

身体の話いろいろ20・膝蓋骨 2018・6・10(日)
 膝蓋骨(しつがいこつ)はいわゆる膝小僧(ひざこぞう)(膝蓋、ヒザガシラ)の部分で、皮下に皿状の小骨としてその輪郭を触れることができる。太もものにある面の強大な大腿四頭筋の腱(けん)の中に存在している一種の種子骨である。全体としてはクリ形三角状の扁平(へんぺい)な骨で、日本人では縦の長さが約4センチメートルで、幅はそれよりやや長い。

 膝蓋骨は膝関節を保護する役割のほか、膝を延ばす時に大腿四頭筋の機能を助ける。小さい時からよく膝を打ったが、この骨でずいぶん助けられてきたと思う。

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