名古屋・日本伝統工芸展~大須

名古屋・日本伝統工芸展 2012・10・6(土)
 久しぶりに名古屋に出かけた。車での移動を強いられる四日市から見れば大都会である。JR、私鉄、市営地下鉄が縦横に走り、行き先に楽にたどり着けるのは東京と同じだ。
 ただ、慣れないと駅を降りてから戸惑うことも多い。目指す第59回伝統工芸展・三越百貨店へは少々迷ったが、デパートに入ると2年前の伝統工芸展を思い出し、スムースに会場に入れた。
 全体の大半を占める陶芸作品は大きい物ばかりである。見事さに圧倒されるが、心惹かれるものは少ない。小さな秀品、瀬戸黒茶碗(加藤孝造)志野茶碗(鈴木藏)がどれほどの人に注視されたかは疑問だ。今回は精緻で見事なものより、備前焼緋襷(参考)の陶器に目が行った。次に木工作品をゆっくり見て、さらに人形の顔の違いを比べながら歩いた。
 会場を出て、丸栄百貨店で昼食にカレーライスを食べる。この日の目的は他にもあった。

 日本伝統工芸展 2010・10・10(日)
 名古屋三越で開催中の第57回工芸展(入選734、受賞作品16)を見てきた。すばらしい作品が並べられていたが、数の多さに戸惑い、また素人目で見るだけなので、判断停止に陥りながら、ただ歩き回るだけだった。
 受賞16作品はNHKテレビで見ていたが、やはり実物を見るに越したことはない。普段、木彫りをしているのでやはり木工に目が行き、漆を上塗りした木目の美しい木工作品をじっくり見てきた。陶芸では多くの作品が並んでいたが、酒井田柿右衛門や今泉今右衛門の作品にはすぐ気がついた。

名古屋・丸善 2012・10・10(水)
 カレーライスを食べてから、9月にオープンした丸善名古屋栄店に足を踏み入れた。最近はネットでの購入ばかりなので、書店を訪れるのは久しぶりだ。丸善と言えば丸善京都を舞台にした梶井基次郎の「檸檬」を思い出すが、なんと古い話であることよ。
 古いと言えば、丸善の店内の陳列や雰囲気は今風ではない。落ち着いていて格式があるかもしれないが、案内が少ないため「探し物が分かりにくい」と大声で文句を言っている年配の人がいた。最近は店員に聞かなくても、店内のパソコンで本の場所を探せるが、慣れないと手が出しにくい。
 ところで、丸善に出かけた目的は辺見庸が書いた序文を読むためだ。その本は「棺一基」。あの三菱重工爆破事件で死刑が確定している大道寺将司(東アジア反日武装戦線〝狼〟)の全俳句集である。極左パラノイアで悲現実的だった彼らの行動には全く興味がないが、辺見庸が言うように「奇しき生」から苦悩し展開する彼の「生きざま」を己の「生(実存)」と対峙させ、沈思することは重要なことだ。
 序文は長文で難しく、立ち読みは長かった。
 棺一基 大道寺将司全句集
 ――辺見庸「〈奇しき生〉について 序のかわりに」よりーー
   確定死刑囚として37年に及ぶ獄中生活を送る大道寺将司の全句集
       棺一基(かんいっき) 四顧(しこ)茫々と 霞みけり
   十七字において、かれは塗炭の苦しみをなめつづけ、十七字においてのみ
  かれは、極限の個として、ひと知れずやっと自由なのだ。供述調書より起訴状
  より判決文より、較べるもおろか、句群にこそかれの真情は巧まず塗りこまれて
  いる。俳句にいまや全実存を託したのだ。  

名古屋・ヤマザキマザック美術館 2012・10・18(木)
 栄町にある丸善の後は新栄町へ。ここには一昨年出来たヤマザキマザック美術館があり、一度行きたかった。
 館長・山崎照幸が言う。「・・・自社の工作機械を世界市場に広めることに一生懸命でありました。・・・そうした中で、パリの画廊で一枚のボナールの絵に出会い、購入したことがその後の絵画コレクションのきっかけとなりました。やがて、収集を重ねていくうちに、フランス美術に強く惹かれるようになり・・・いつの頃からか、これら作品を展示する美術館を作りたいと思うようになりました」
 6階から館内に入るとフランソワ・ブーシェの大作「アウロラとケファロス」が迫ってくる。ギリシャ神話に登場する女神・アウロラが人間・ケファロスを誘惑する場面である。メイン展示で大きく迫力がある。ここには18世紀から20世紀に至るフランス絵画が展示され、5階にはアール・ヌーヴォーの様々な作家達のガラス工芸品、家具が展示されている。
 とてもゆったりしていて落ち着いた時間を過ごすことができたが、館内で会った人が4人だったのは寂しい。美術館一階のカフェテリアは満員だったのだが。


名古屋・大須 2012・10・22(月)
 ヤマザキマザック美術館の次の予定はボストン美術館だったが、時間が無くなってきたのでカットし大須の電気街に行った。大須は東京・秋葉原、大阪・日本橋と共に3大電気街と言われる。
 大須観音を横目に大須演芸場前に出る。「入場者がとても少ないのに廃業しない不思議な演芸場」と新聞で大々的に取り上げられていたが、存続は席亭の心意気のようだ。演芸場の建物だけ見て、目指すパソコンショップに急いだ。
 目的は中古ノートパソコンの物色、今使っているものがだんだん怪しくなってきており、そのための予防措置。業務用にパソコンを使っていると言うわけではないので、ネットに繋ぐことができてHPの管理さえできれば良い。 オフィス無しでWinビスタ搭載は約1万円(保証は1週間)、Win7は2~3万円(保証は3ヶ月)、その他ジャンク品は3千円で大量に並んでいた。オフィスはオプションで古いバージョン(2003)で2千円と言っていた。手持ちのノートパソコンのデータのバックアップが先だと思って買わずに帰ってきた。
 伝統工芸展から始めた名古屋周りは大須で終了、夕食に間に合うように四日市に帰った。万歩計の数量は大きかった。週一ハイキングのジャンルに入る。
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