会津八一 山光集・明王院(十一首) 昭和十八年十一月
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1 明王院(第1首) さかもと の よがは の たき の いは の へ に ひと の みし とふ くしき おもかげ |
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2 明王院(第2首) ひと の よ の つみ と いふ つみ の ことごとく やき ほろぼす と あかき ひ あはれ |
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3 明王院(第3首) うつせみ の ちしほ みなぎり とこしへ に もえ さり ゆく か ひと の よ の ため に |
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4 明王院(第4首) うつせみ は あけ に もえ つつ くりから に みはりて しろき まなこ かなし も |
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5 明王院(第5首) くりから の たがみ に まける たつのを の かぐろき ひかり うつつ とも なし |
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6 明王院(第6首) みなのわた かぐろき ひかり かむさびて よ さへ ひる さへ もゆる くりから |
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7 明王院(第7首) もゆる ひ の ひかり ゆゆしみ おのづから まなこ ふせ けむ どうじ こんがら |
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8 明王院(第8首) はべり たつ どうじ が くち の とがりは の あな すがすがし とし の へぬれど |
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9 明王院(第9首) いにしへ の ひじり の まなこ まさやかに かく をろがみて ゑがき けらし も |
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10 明王院(第10首) いま の よ の ゑし の ともがら いにしへ の かかる ためし を しら ざる な ゆめ |
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11 明王院(第11首) あかふどう わが をろがめば ときじく の こゆき ふり く も のき の ひさし に |
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明王院(明王院) 赤不動(あかふどう) 希世(きせい) 幽怪(ゆうかい) 神異(しんい) 円珍(えんちん) 台密(だいみつ) 髣髴(ほうふつ) 素壁(そへき) |
和歌山県高野町の高野山真言宗の寺院。高野山のなかほど本中院谷に所在。日本三不動のひとつ「赤不動」で有名。 絹本着色不動明王二童子像(仏画)。園城寺を開いた円珍作と伝えられる。明王院開創当初の本尊五大明王像の焼失後、当寺に本尊として祀られている。京都・青蓮院の「青不動」、滋賀・園城寺の「黄不動」とともに日本三不動の一とされる。(赤不動・画像) 世にまれなこと。 あやしいこと。 不思議なこと。 平安時代の天台宗の僧。天台寺門宗の宗祖。諡号(しごう)は智証大師(ちしょうだいし)。 天台宗に伝わる密教のこと。京都東寺の真言密教を東密と呼ぶのに対する。日本天台宗の開祖である最澄(伝教大師)によって創始。 ありありと想像すること。よく似ているものを見て、そのものを思い浮かべること。 白壁。 |