会津八一 山光集・偶感(五首)
                               昭和十八年四月
  山 光 集  「昭和15年6月から昭和19年4月に至る4年間に詠まれた246首。
         戦争時代を色濃く反映した作品も含まれる。戦中、戦後の価値観の
         転換によりこの集は3度出版され、歌の取捨が行われている」
  偶   感  「敗色が濃くなったこの時代の影響を受けた空虚な作と言えるが、挙
         国一致が叫ばれた雰囲気の中では仕方がなかったかもしれない」
                                        会津八一の歌 索引
1 偶感(第1首)
    むらぐも は いゆき もとほり あめつち の 
                 わかるる とき と いま を かも いはむ     
歌の解説
2 偶感(第2首)
    ひさかたの そら さへ さけむ あらた なる  
                 くに おこる とふ もの の ひびき に      
歌の解説
3 偶感(第3首)
    いにしへ の かみ も そぞろに おどろかむ 
                 くぬち こぞれる ひと の ちから を         
歌の解説
4 四月三日神武天皇祭にあたりて(第1首)
    おほみて に ぬぼこ とり もち をたけび に  
                 うたひまし けむ かむながら かも    
歌の解説
5 四月三日神武天皇祭にあたりて(第2首)
    あめつち の なか つ みくに の くに の ほ と  
                 さだめまし けむ かしはら の みや       
歌の解説
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