会津八一 寒燈集以後・夜雪(六首)
                               昭和二十一年十二月
寒燈集以後


夜     雪
「寒燈集に入れなかったもの、及び以後に詠まれた幽暗〜鐘銘、計57首を解説する。歌は會津八一全集巻四より選んだ。鐘銘は八一の最後の歌である」
「丹呉家から新潟市内の南浜通に移った八一は夜降る雪を題に6首詠む。観音堂時代の悲しみは消え、静かな明るさを取り戻している」
                                        会津八一の歌 索引
1 夜雪(第1首)
    かへり きて もの なき やど の のき の は に 
                 つみて ぞ しろき ふるさと の ゆき
歌の解説
2 夜雪(第2首)
    みゆき ふる みち の ちまた を ふるさと の 
                 ひと に まじりて ぬれ に ける かも
歌の解説
3 夜雪(第3首)
    ながき よ の まど に さやりて ふる ゆき を 
                 きき つつ もとな いね がて に す も
歌の解説
4 夜雪(第4首)
    いね がて に わが する まど の ともしび を 
                  みち ゆく ひと の み まく しも よし
歌の解説
5 夜雪(第5首)
    みゆき ふる さよ の くだち を まくらべ に 
                  おもはぬ ひと の おもかげ に たつ  
歌の解説
6 夜雪(第6首)
    いね がて に はなてば まど の ともしび の 
                  こぼれて しろし まつ の あわゆき
歌の解説
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