奈良新聞  2001年8月30日

奈良の魅力まず聴いて

万葉歌を朗読、解説したCD

都の変遷を6章に

奈良市
 奈良市の商業・観光振興などを目指す奈良市異業種交流塾(松森重博塾長、16人)が、万葉歌の朗読と解説を吹き込んだCD「万葉うた紀行」(1,500円)を作成、9月1日から発売する。県に根ざした文化を商品化、観光PRに結び付ける試みで、異業種交流のユニークな成果として反響が注目される。

 CDは奈良市異業種交流塾が結成10周年の記念事業として企画、作成。奈良大学文学部国文学科の上野誠助教授が、都の変遷に沿って万葉歌を朗読、解説している。内容は「万葉集のはじまりの歌」から「都大路にふく風」までの6章。癒(いや)し系の現代音楽をBGMに流し、各章を10分間にまとめるなど、聞きやすい工夫を凝らしている。

 同塾の朝倉進さんは「地域に根ざした異業種交流として、奇をてらった商品の開発より、万葉集の古里は奈良だということをアピールする企画を考えた」と説明。10月13日には、なら100年会館で「万葉うた紀行」と題した講演会も計画する。

 CDを吹き込んだ上野教授は「異業種交流の成果として土産物の開発というのもあるが、奈良で何を売っていくかと言えば文化だと思う」と話し、同塾の取り組みに注目。「万葉集の流れをエピソードとして概説しており、これから奈良を訪れる人には案内、遠くの人には夢を語るような内容を目指した」と言う。

 販売は県内の書店で。問い合わせは、奈良市異業種交流塾、電話0742(27)9400。

cNARA SHIMBUN 2001
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